無題

あの日見た景色をもう一度

私とN X A

 

 


NXAツアーが終わってしばらく経った。ツアーが終わって色々考えた。私にとってこのツアーとはなんだったのだろう?なんとなくだけど、ようやく答えがまとまったのでその思いのままに文字を書いてる。

 


好きになってそこそこ経つが、そんなにライヴに行けたことがなかった。ずっと悔しかった。武道館やカベニミミなんて夢のまた夢だった。ニコタッチズザウォールズノゼップはツアーと認めたくない(笑)

そのくせ青春真っ只中の高校当時の思い出といえば、必ずと言って良いほどニコが出てくるのだ。ずっと彼らが私の中の1番だった。熱意を向ける対象は変わったとしても彼らへの愛が冷めることはなかった。もう追いかけたくないって思っても彼らの音楽が1番だったから。

そんな当時の悔しさのまま拗らせ続けた私は、紆余曲折を経て今回たくさん遠征へと出向いた。

NXAツアー中はまるで天国と地獄だった。最高に生きていて幸せだと思う夜もあったら、死にたくて仕方なかった時もあった。グラフで表すならこの半年はすごい折れ線を描くことだろう。色んなものがなくなったし、色んなことに失敗した。だがその分、NXAは色んなものを私に与えてくれた。


まず一つは自信だ。ずっとファンでいることの自信がなかった。私がもともと自己評価がすこぶる低いということもあるが、NICOの何が好きかと明確に表現できなかった。またNICOの音楽が私のロックのほぼ全てだったので、彼らの音楽を好きだということに自信が持てなかった。

でもこのツアーを通して前よりは自信が持てるようになった。二枚のEPの曲の成長を見届けられたからだ。

これだけかっこいい曲たちの成長を見届けたんだから、私はいい加減胸張ったっていいだろってな。

六七月かなり多忙だったので、この忙しさを乗り越えたのだから私はかなりテキパキしてるな、という自信もついた。就活に役立てます。


そして綺麗な景色も見せてくれた。ロゴス2日目の夏の大三角形の時が1番印象深い。真っ白だった。私はこの曲でNICOを知ったんだけど、当時は青いイメージだった。でも、この時の景色は眩しすぎる白だった。眩い白の先に、私は戻ることができない当時を見ていた。

アコとレイクの特殊なステージも好きだったな。高層ビル街を風景にしたライヴジュークや、富士山が見えたステラシアターは圧巻だった。NICOの優しくて力強い音が心地よかったしどこまでも伸びていきそうな気がした。

あと景色というよりは空間なんだけど、六七月のビブリオとムジナは圧巻だったな。NICOの作り上げる空間にただ飲み込まれたしひれ伏した。

 


なんか、ツアー終わっていろいろ考えたんですよ。このツアーが私にとってなんだったのかと。

光村さんはライヴの楽しさが分かったって言ってた。私もそう思う。ずっとメンバーを見にいくことを重視してたけど、私が楽しいと思うのはそれじゃなくて、空間を感じることが自分にとって1番大事だなと思った。でもこれはファイティングの時に感じてたんだよなあ。


もしかしたらこのツアーに参加したことに意味はないのかもしれないとずっと考えてた。明確なテーマがわからないままだったじゃん、10周年なのかアコなのかアサノなのか。意味づけすることより、ただ音楽で遊んだ!ってことの方がNXAは大事なんじゃないかとは思う。でもそれはなんか違くて、私にとっては本当に思い入れのあるツアーだから、楽しかったかっこよかったで済ましたくなかった。


ツアーが終わって違うライヴに行ったりもしたけどずっと私にとってNXAが何なのか探してた。スッキリする答えがどうしても出なかった。この文を書きはじめた時も出てなかった。でもやっと出たよ。私にとってこのNXAは夢だったんだ。夢を見させてくれたし、夢を与えてくれた。


夢って二つの意味があると思うんですよ。寝る時に見たりするようなどこか幻想的なものと、将来やってみたいなと思うもの。

NXAは前述した通り沢山の幻想的な夢を見せてくれた。たくさん私が見たかったものを見せてくれた。そもそもこんなにライヴに行けること自体、夢みたいなもんだった。高校時代の私に言えばどれほど喜んだだろうか、言ってやりたい。

そして将来の夢。私にはNICOを好きになったことで抱いた将来の夢が一つだけあった。それを目指して建築学を専攻してる。だけどどこかで諦めて妥協したいって思い続けていた。何か適当な職について楽に生きたいって思うようになった。ツアーにたくさん行って、ライヴにたくさんいく魅力に囚われたし。夢かライヴかと言われたらライヴだった。

でも、幕張のステージを見て、ジンジャーリリーと光村さんが叫んだあの時、あ、めちゃくちゃかっこいいって思った。夢を追いかけ続けて、好きなことを追求する人って本当にかっこいいなって。そう感じる時は何度もあったけど、この時はツアーの終わりなせいなのかな?強く思った。この人達みたいになりたい。なれないかもしれないけど、精一杯やれることはやりたいなって。

もしかしたらこの気持ちは案外すぐ折れちゃうのかもしれない。六七月本当に楽しかったから、NICOを追いかける人生がいいやって夢を妥協しちゃうかもしれない。未来はわからないからまあそれでもいいのかなと思うけど、今は少なくとも頑張りたいと思ってる。


当初このツアーを全通しようと思った時、最後の沖縄を見終えた時に自分の将来を決めようと思ってた。沖縄が終わった時はそのライヴ自体楽しめなくて何にも決まんなかった。幕張が終わってツアーが完結した今、私は夢を追いかけることにした。ほんとにいつまでそう思ってるか知らないけど(笑)

 


NXA本当に最高だった。ニコアコ、最初は嫌で仕方なかっんだけど、このツアーを通して好きで仕方なくなったからまたしてほしいです。あとオイスターツイスターの曲たち。時々でいいからやってほしいな。ムジナは毎回やってくれてもいいけど。


NICOにとってNXAは新しい音楽の表現を広げられたものになったんだと思う。アレンジ力に長けたこのバンドがこれからどう進化していくのか楽しみだし、時にはアレンジなんてクソ喰らえだ!って感じでにぶっ壊れてほしい。感情を感情で揺さぶってくるライヴが好きなので私は後者を求めてますけど、、

 

 


お疲れ様だなんて絶対に言いません。

夢みたいな時間をありがとう!

最高に楽しくて幸せなツアーでした。